コラム

【最新米国便り】クリエイティブディジタルツイン

製造、メディカル、製薬マーケットでディジタルツイン(DT)が急伸し、パール・バック著『大地』のバッタのように相貌を変えリバイバルしている。


DTとは、現実の世界から収集した様々なデータを、まるでふたごであるかのようにデジタル空間上に構築し、モニタリングやシミュレーションをする仕組み。2002年に米国で提唱された。
そのDTは今や第二次成長期へ入り、PLM(Product Lifecycle Management)、IoT、AI、ARとVRを組み合わせた新たなソリューションへシフトして、生産性向上とコスト削減効果がディジタルトランスフォーメーションへ波及。


製造業では、DTにより生産開始前に製造プロセスを検証し最適生産方式を確立。
運用レベルではマルファンクション(異常、不調)を事前分析して、システム故障を予知。
 

フィリップス社メディカルソリューションは、患者仮想モデルを創造する DTペイシエントモデルソフトウェアを開発して、遠隔地からのサポートを可能にしている。
 

GE(ゼネラル・エレクトリック)社は、航空機エンジン全ての情報をセンサーからリアルタイム収集し、エンジンのメインテナンス時期を割り出すコスト削減にDTを活用。
高精度仮想空間でAIがエンジンの状況を分析し、適切なタイミングでメインテナンスを実施。


DTマーケットは性格を変えて上方修正され、数年後には2千億ドル、成長率40%になる見込み。
拡張仮想現実、人工知能と機械学習、ビッグデータ分析を絡め、質を高度化したDTマーケットへ向けIBM、Microsoft、GE、Siemens、NVIDIA、Accentureがしのぎを削る。

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