コラム

【最新米国便り】デルタ航空クラウドシステム

新型コロナウイルスは米航空業界も直撃し、アメリカンは$89億、ユナイテッド$70億、デルタ$124億もの巨額赤字。顧客が戻るのは2023年以降と見る各社はビジネスの大幅見直しとトランスフォーメーションを加速。

デルタ航空はIBMに委託して運行関連システムをパブリッククラウドへ全面移行。千人を超えるIT関連ワーカーをIBMでトレーニングし2024年をターゲットにFly Deltaモバイルアプリケーション、バッゲージ トラッキング、パッセンジャー、フライト関連アプリケーションをクラウドへ移行してオペレーションコストを圧縮する。

IBMハイブリッドクラウドアプローチを導入してIBM Red Hat Open Shift上に構築されたハイブリッドクラウドアーキテクチャで動作するコンピューティング環境へトランスフォーム。併せて、世界中に張り巡らせたフライトルートの大幅削減と地上オペレーションを統廃合。

アメリカンとユナイテッドもトランスフォーメーションで生き残りを模索しているが寡占化を嫌う米政府は今後も航空三社体制を維持する戦略。米国航空三社は地上オペレーションとメインテナンス部門の提携も視野に収益改善を図る。

デルタは保有機体を200人以下の中型機に集約しシート稼働率向上と燃費の効率化。機内飲食サービスとアテンダントは削減。短距離フライトはシートピッチを縮め、並べて詰められた缶詰のイワシのような「立ち乗りシート」で搭乗人数を増やすPacked sardines(すし詰め)を計画。格安のフライングイワシ フライトが実現すると「空の旅」は変わり、混み合った通勤電車のイメージへ。立ち乗りシートのパテント(特許)は既に登録済という。

*画像はイメージです。