コラム

【社内報 NIKKOリレーションから知るDX③】クラウドサービス・5G

日本におけるデジタル技術を活用した変革への取り組み“DX(デジタルトランスフォーメーション)”を、当社ならではの価値としてお客さまに提供していけるよう、各種取り組みを進めております。

その中でも、当社のDXに対する取り組みと深くかかわる「クラウドサービス」と「5G」についてご紹介します。

クラウドサービスの種類と特徴


企業が新システムを導入する際に、クラウドを考慮に入れることが一般的となってきており、どのクラウドサービスを選択するか悩むことも少なくありません。

今回は、「NEC Cloud IaaS」、「Amazon Web Services」、「Microsoft Azure」「Google Cloud Platform」という3種類のクラウドサービスを取り上げ、それぞれについて簡単に解説します。

♦NEC Cloud IaaS
現在当社のクラウドで使用している「NEC Cloud IaaS」は、その名の通りNECが提供中のクラウドサービス。正式にスタートしたのは2014年4月。特徴は、何といってもセキュリティと品質。NECでは日本国内各地にデータセンターを開設。これらを複合的に組み合わせ、NEC Cloud IaaSの運用基盤としています。東日本大震災以降、災害などで被害を受けたシステムを早期に復旧・修復する必要性は高まり、BCP(事業継続計画)策定のためにクラウドを選択する流れも一般化。企業向けに便利なワークフロー機能や、使いやすい管理画面から迅速・柔軟にリソースを増減できることが評価されています。また、複数クラウドや、クラウドとハウジングのハイブリッド利用も増えています。

♦Amazon Web Services
AWS(Amazon Web Services)はAmazon.com社が提供するクラウドサービス。2006年7月にEC2の公開が開始され、クラウドサービスの中では最も長い歴史を持っています。業界のトップシェアを誇り、そのシェアは3割を超えています。サービスの種類も豊富で、常に新しいサービスや独創的な考え方のサービスを提供。歴史が長いこともあり、様々なクラウドサービス選択の基準となり、最初に検討される場合も多くなっています。

♦Microsoft Azure
AzureはMicrosoft者が提供しているクラウドサービス。2010年にサービスを開始し、Windows ServerやMicrosoft Officeといった様々なMicrosoft写生品との親和性から、順調に売上を伸ばしています。既存のオンプレミス環境に存在するActive Directory*とも容易に連携を行うことができ、ハイブリッドクラウド構成を実現する基盤として適している考えられます。
*Active Directory…Windowsパソコンの機能やユーザー情報を管理するために、Windows Serverに設けられた機能

♦Google Cloud Platform
GCP(Google Cloud Platform)はGoogle社が提供するクラウドサービスです。GCPはGmailやYoutube、Googleマップなど、Google社の提供するサービスを稼働させる基盤としても利用されており、確かなサービスの運用実績がある点がポイントです。2008年にGAE*の鄭供を開始してから様々なサービスが追加され、特にコンテナ技術に関してはデファクトスタンダードとなる様々な技術を世の中に提供しています。
*GAE…Google App Engine

 

5Gの種類と特徴

日本では、2020年より一部地域でようやく5Gが使えるようになりました。2023年度までには100以上の企業や団体にサービス提供を目指すとされており、ローカル5Gが当たり前になる世の中も遠くはなさそうです。当社でも、多摩技術センターをモデルとして実証実験を行い、お客様と協力しながら5G事業の立ち上げを積極的に進めています。

しかし、まだまだ未知の世界の「5G」。そこでこのコラムでは、5Gという言葉の意味から、現在使われている4Gとの違い、特徴、そして今後期待できることなどを解説します。あらためて「5G」「ローカル5G」について復習しましょう!

♦5Gとは?
5Gとは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略で、次世代の通信規格のこと。5Gの前には1~4世代の進化を遂げてきました。

第1世代は1980年代のアナログ電話。第2世代は1990年代よりデジタルへと進化し、インターネット時代へと進化し、第3世代は2000年代より通信の高速化が可能となり、インターネットが一般化へ。第4世代の2010年代には、LTEというさらに通信の高速化が進み、ビジネスや生活が変化してきました。

そして、第5世代の「5G」。高速化や大容量化などで、日常生活や企業活動が大きく変わっていくということで非常に期待されています。

♦4Gと5Gの違いは?


5Gは、4Gよりも通信技術が飛躍的に進化しています。5Gの通信速度は4Gの20倍、遅延は4Gの1/10で、4Gの10倍のデバイスを同時に接続できるとされています。5Gを利用するようになると、映像などのダウンロードが10倍程度早くなり、また、通信上の遅延はゼロにならないものの、10分の1程度に低減されます。これによって、ネットワーク接続中に今まで以上にリアルタイム性が欲しいという要望を実現できるようになります。

♦5Gの特徴は?
高速で大きな容量の通信ができる
2時間の映画をなんと3秒でダウンロードできてしまうほどの高速に…

信頼性が高く低遅延の通信ができる
いっぱい動画見れるけど、ときどき電波の関係で止まったり、落ちたり、カクカクしたりしますが、5Gは全く遅れません。

多数の機器に同時に接続ができる
災害時であったり、多くの人が集まるFESであったり、みんながアクセスすると全然繋がらない状況ですが、5Gは多数同時接続が全く問題なく繋がります。

 

♦ローカル5Gとは?
5Gに、わざわざ”ローカル”を付記してローカル5Gになると何が違うのでしょうか?結論から言うと、「5G」と「ローカル5G」に大きな違いはありません。基本的には「5Gの一部規格がローカル5G」だと思っておけば、おおよそ間違いはないでしょう。

5Gは、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社が進めている全国規模の「ネットワークサービス」のことをいいますが、ローカル5Gというのは、「その地域、その個別のニーズに応じて、自治体などが主体となって独自に構築する地域限定のネットワーク」になります。

ローカル5Gの「ローカル」は“個別ニーズに応じたそこの地区だけその街だけ”に限定したという意味で、例えば1つの都市があって、そこにはスタジアム、病院、建設現場などなど、この都市専用、この街限定の5G高速無線ネットワークを柔軟に構築することができます。つまり自分たちだけのネットワークを構築することが「ローカル5G」です。

もう1つの特徴として、ドコモなどキャリアの動向に左右されることなく、5Gのネットワークを活用できることです。キャリアの5Gが全国に整備されるにはまだまだ時間がかかり、整備が進んでも山間部などカバーできない場所も出てきます。ただ、ローカル5Gなら、必要な場所にピンポイントでネットワークを構築でき、必要なときに必要な場所で5Gを活用することができます。そして独立したネットワークで外部と完全に切り離されているため、外部的な要因でネットワークへ接続できないといった問題や外部への情報漏洩といったセキュリティの問題や課題をローカル5Gによって解決することができます。

※この記事は、日興通信で発行している社内報『NIKKOリレーション』(vol.27)において、ITに関する基礎知識をわかりやすく解説したページを転載したものです。