コラム

【社内報 NIKKOリレーションから知るDX⑦】Windows 11リリースについて

2015年10月の「Windows 10」リリースから6年。米Microsoft(マイクロソフト)社は2021年10月5日、「Windows 11」正式版のリリースを開始しました。
本コラムでは「Windows 11」について、新機能の解説を含めてお伝えします。

出典:Microsoftホームページ

 

「Windows 10は最後のバージョンのWindows」と言われていた?
2015年に発表されたWindows 10から約6年、次のバージョンとなるWindows 11が発表されました。マイクロソフトは「Windows 10を最後のバージョンのWindows」と発表していました。
最後のバージョンとは、数年に一度のメジャーアップデートから、半期に一度機能をアップデートする方式への転換を表現するものでした。
2007年に「Windows Vista」、2009年には「Windows 7」、2012年は「Windows 8」とメジャーバージョンアップが行われ、その度にユーザーはアップグレードをするかどうか悩む、ということが繰り返されてきました。
そこで、2015年にリリースされた「Windows 10」では、こうしたメジャーバージョンアップは行わず、半年に1回行なわれる「機能アップデート」を通じて新機能が提供されていく方式に転換したことを象徴とする「最後のバージョンのWindows」と表現されていたようです。
しかし、実は、「Windows 10は最後のバージョンのWindows」という発言は、マイクロソフトの経営陣や広報担当者から正式に出たものではなく、マイクロソフトのデベロッパーエバンジェリスト(システム開発者等にマイクロソフトの技術伝道師)だったJerry Nixon氏が何気なく発したひと言でした。正式な発表ではなかったようです。情報社会で生み出された誤解が大きくなってしまったのかもしれません。


Windows 11 新機能をご紹介
Windows 11はデスクトップの見た目がガラリと変わっています。また、最新のハードウェアの進化に合わせて、ウィンドウ整理機能が用意され、PCゲームの盛り上がりを受けてゲーム機能も強化されています。
セキュリティにおいても、より強化されたOSになっています。
それでは早速、マイクロソフトの公式サイトに掲載されているWindows 11の特徴11点の中から一つ、新機能をご紹介します。


「Microsoft Teams」が標準搭載され、手軽にビデオ会議
当社でも活用しているビジネス向け「Microsoft Teams」が、Windows 11では標準搭載されました。2021年5月にリリースされた個人向けTeamsがベースになっており、Microsoftアカウントを使って、タスクバーに統合されたチャットボタンをクリックし、続いて「会議」をクリックすれば、ビデオ通話の機能が利用できます。テレワークなどのPC多様化や時代のニーズに対応するための機能の一つが搭載されたと言えるでしょう。
利用には、Microsoftアカウントでのサインインが必要で、宛先に相手のMicrosoftアカウントを指定します。初期セットアップでは電話番号登録が必要でしたが、リリース版ではMicrosoftアカウントでのサインインのみで利用可能です。
しかしながら、あくまでも個人向けMicrosoftアカウントを使った家族や友人と繋がるためのツールと言えます。


Windows 11で削除される機能
削除される機能は多々ありますが、その中でも触れておきたいのが「Internet Explorer」(以降、IE)です。Windows 11では、初回起動時に起動しなくなります。また、タスクバーへのピン留めも行われません。ブラウザとしてのIEは無効化され、IEベースのWebサイトやアプリにアクセスする場合は、Microsoft EdgeのWindow内でIEモードを利用することになります。
ですが、あくまでもこれは一時的な救済策にすぎず、IEモードにもサポート期限があります。マイクロソフト社は、IEモードのサポートについて「少なくとも2029年までの現在および将来のWindowsクライアント、Windowsサーバ、およびWindows IoTリリース(Windows 11を含む)のライフサイクルに従います」と述べ、Edge(Chromium版)への移行を強く推奨しています。
IEモードでの動作検証の結果、全く動かないことはまれですが、アプリケーションによっては軽微な改修が必要になる場合もありますので、余裕を持った作業計画と速やかな対応が必要です。


自分のPCがWindows 11の要件を満たしているかチェックするには?
2021年6月24日(米国時間)に現在使用しているPCがWindows 11を動作するために、必要な要件を満たしているかどうかをチェックできるマイクロソフト社の公式ツールとして、「Windows 11互換性チェックプログラム」が公開されました。PC正常性チェックは、「Windows 11公式サイト」からダウンロードし、インストール後、アプリを実行し「今すぐチェック」をクリックすると、動作要件を満たしているかどうかをすぐにチェックできます。

出典:Microsoftホームページ

動作要件を満たしている場合は、「このPCはWindows 11の要件を満たしています」と表示されます。
要件を満たしていない場合は、「このPCは現在、Windows 11システム要件を満たしていません」と表示されますが、チェックツールの結果がNGでも、PC設定を変更することで合格になる場合もあるようです。
Windows Updateの画面でもWindows 11へアップグレードできるか確認できます。


Windows 11へのアップグレードは有償?
Windows 10からWindows 11へのアップグレードは無料です。無料でソフトウェアアップグレードを提供することでWindowsを使い続けるユーザーを増加させ、利用者を増やす目的があるのかもしれません。
ただし、Windows 10PCがWindows 11の最小要件を満たしていたとしても、何らかの理由でアップグレードできない場合があるので注意しましょう。


無料のアップグレードが可能な期間は?
マイクロソフト社の公式サイトによると「対象となるシステムに対する無料アップグレードに特定の終了日は設けていません。しかし、Microsoftは無料アップグレードに対するサポートをいずれ終了する権利を留保します。この終了日が2022年10月5日より前になることはありません。」と記載されています。


Windows 10はいつまで使い続けられる?
Windows 11ではなく、Windows 10を使い続けたいという人は、当面Windows 10を使い続けても問題はありません。
Windows 10のサポートは2025年10月4日まで継続され、あと4年は問題なく使えます。


Windows 11からWindows 10に戻せる?
10日以内であれば、Windows 11にアップグレードした後に、ファイルとデータを保持したままWindows 10に戻すことができます。
その10日が過ぎた後は、データをバックアップし、「クリーン インストール」を実行してWindows 10に戻す必要があります。

 

※この記事は、日興通信で発行している社内報『NIKKOリレーション』(vol.34)の記事を再編して掲載しています。