遠隔授業で利用頻度が高まったPCを、対面授業でも円滑に活用する無線LAN環境整備

京都ノートルダム女子大学様

導入のポイント

《導入前の課題》

  • コロナ禍の遠隔授業をきっかけに、授業でのPC活用が定着し、教室の無線LAN利用が急増した。
    同時接続可能な台数を超えてしまい、繋がりにくい状態となり、安定した通信環境を確保することが課題となった。
  • 導入する無線LANアクセスポイントの要件
    ・通常教室から大教室の定員数に合わせて、50~100台のPCが同時接続できる性能
    ・通信速度 100〜200Mbpsは必要
    ・ZoomやTeamsといったWeb会議システムがスムーズに使えること

《導入の効果》

  • 多台数同時接続時も高速・安定した通信で、Web会議システムを使用した授業もスムーズ
    キャンパス内にアクセスポイントを98台導入して無線LAN環境を整備。
    従来より、通信速度が速く同時接続に強いため※1、教室内の全員がZoom・Teamsに繋いでも円滑に授業が行えるようになりました。
  • 障害時の対応や設定変更が容易に
    98台のアクセスポイントをクラウド環境から一元管理できる『Aruba Central』も併せて導入。
    電波や利用の状況が管理画面で可視化され、トラブルの確認や設定変更を一括で行えるようになりました。

《導入ソリューション》

  • キャンパス向け/屋内型 無線LANアクセスポイント Aruba 510 シリーズ AP-515
    特長:高速、多台数同時接続に強い※1「Wi-Fi6」規格。

※1: Wi-Fi6対応機器を使用した場合です。

  • クラウド型ネットワーク集中管理ツール Aruba Central
    特長:ネットワークの設定や監視をクラウド環境からダッシュボード画面にて一括で行え、管理負荷を大幅に軽減します。

導入前の課題

授業でのPC活用が進み、無線LAN環境整備に取り組む

京都ノートルダム女子大学は、キリスト教精神に基づき1961年に設立。「徳と知」を教育理念とし、自律・自立して活躍する女性の育成を目指す教育を実践しています。
大学内のICTを統括し、学生の教育支援を行う緒方様に導入の経緯を伺いました。「以前の無線LANアクセスポイントは、教卓の教員と数名の学生、最大20台が繋がれば良いという程度のスペックでした。新型コロナウイルス流行前まではそれで問題なかったのですが、コロナ対策として遠隔授業を実施すると、ZoomやTeamsを使って資料共有や対話をしながら授業をする教員が増えました。使ってみると便利なことが分かり、対面授業に戻ってもその利用が継続されました。
その結果、アクセスポイントの最大接続数を超えて接続が不安定になり、思うような授業ができないと教員から意見が寄せられるようになりました。」
さらに、「通信速度の問題もありました。以前の速度は50〜80Mbpsくらい。教員がWebページを開いて学生に見せる程度の利用では問題なかったのですが、Web会議システムを使うと通信速度が心許ないということになりました。
例えば英語の授業で、教員が質問して学生が英語で答えるような場面で、会話がしにくい、聞き取りにくい、どうにかならないかという要望が寄せられました。そこで日興通信に相談した次第です」と振り返ります。
 

図書館情報センター システム管理課 課長 緒方 挙様

選定の経緯

同時接続に強く、集中管理できることが決め手

緒方様は、無線LAN環境の整備にあたり「日興通信には以前から学内のネットワーク状況を見ていただき、課題を相談していました。同時接続数が多く速度が早いアクセスポイントに替えたいと相談したところ、Aruba社の製品を紹介していただきました。
製品内容を見てみますと、Wi-Fi6を採用して非常に高速であること、OFDMA(直交周波数分割多元接続)、マルチユーザーMIMO(複数端末同時通信時に速度低下を防ぐ機能)など複数接続に強いことが全面に出ていて、本学の用途にぴったりだと思いました。
それから、『Aruba Central』を使ってアクセスポイントをクラウド監視できるのは決め手になりました。高額なコストと運用の手間がかかるコントローラを用意せずとも集中管理ができるのは、良いものだと判断しました」と話します。
同大学はキャンパス内に学生寮を備えています。入寮する学生たちはコロナ禍、日中は遠隔授業を受講、課外は就職活動に向けたオンライン面談や試験のため、インターネットへの接続が急増しました。Wi-Fiが繋がりにくいという寮生の声を反映して、寮のアクセスポイントも入れ替えて、利便性を図りました。

※OFDMAを利用できるのは、Wi-Fi6対応機器を使用した場合です。

導入の効果

受講生全員がインターネットに繋がり、学習方法が多様化

「接続する機器の性能にもよると思いますが、通信速度が最大250Mbpsと驚くほど高速が出ています。ダウンロード作業などは体感できるほど格段に早くなり、助かっています。本体の見た目もコンパクトでスッキリしました」と評価をいただきました。
『Aruba Central』 については「ネットワークに問題が発生したとき、通信状況やトラブルの確認ができるのは非常に心強いです。また、設定変更が一括ででき、1台ずつ設定する手間がなくなるのは大変助かります。
コロナ禍の遠隔授業によって、それまで授業にPCを使っていなかった教員も、PCを便利に活用するようになって、こんな風に授業に使いたいなどと意見を出してくれるようになりました。受講生みんながインターネットに繋がった状態でのアイデアがたくさん出るようになりました」と、効果を語ります。
 

いずれもアクセスポイント設置写真

今後の展望

デジタルを活用して、学習環境の個別最適化を目指す

今後の展望について伺うと「文科省のPlus-DX(デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン)補助金事業を有効に活用したいと考えています。
今までは、小規模大学であることを活かして教職員が学生一人一人を見て学習支援を行っていました。現在、LMS(学習管理システム)や教務システムに蓄積されている学習状況や成績などのデータを機械的に処理して、個別に最適な履修計画を立てる取組みを推し進めています。
人間の判断より高い精度で、学生が求める将来像に導く学習環境を提供して、学生が社会に出る力を涵養(かんよう)していくことを目指しています。この取組みは、学生にとって大きな利益になると確信しています」と意気込みを語っていただきました。
 

京都ノートルダム女子大学様 プロフィール

  • 創立:1961年
  • 所在地:京都府京都市左京区下鴨南野々神町1番地
  • 学部:国際言語文化学部(英語英文学科・国際日本文化学科)、
       現代人間学部(生活環境学科・心理学科・こども教育学科)
  • ホームページ:http://www.notredame.ac.jp/

※記載内容は取材時(2021年9月)のものです。