印刷会社の製造ラインを見守るネットワークカメラが、品質管理やトラブルの原因究明に活躍!

大日本パックェージ株式会社様

導入のポイント

《導入前の課題》

  • 商品クレームや製造設備等のトラブル発生時に、原因究明をすばやく行いたい。
  • 大まかなラインの様子だけでなく、より詳細な作業内容まで記録に残したい。
  • 従業員にとって「作業の監視」にならないよう、視覚的・心理的に邪魔にならず、品質向上に貢献するカメラシステムにしたい。

《導入の効果》

  • トラブル時に、簡単・迅速な原因究明
    オペレーターの記憶が頼りだった原因究明を、ネットワークレコーダーで日付と時間帯を選択するだけで、見たい映像を確認できるようになりました。
    クレームに対する調査・回答がすばやく行えます。
  • 綺麗な映像を記録
    高画質の撮影が可能な固定焦点カメラで、狙った方向をしっかり記録します。
  • 視界ノイズになりにくい、目立たないカメラ
    品質向上のために設置する、という意図を従業員にしっかりと理解してもらい、視界に入りにくいコンパクトなカメラを導入。
    日々の作業記録は顧客の安心にもつながります。

《導入ソリューション》

ネットワークカメラシステム (協力:エレコム株式会社)

工場の高い天井からでも、作業の様子を鮮明に捉えることができるフルHDネットワークカメラ。

ネットワークレコーダーの操作画面。カレンダーで日付を選び、時間帯を選択するだけで見たい映像を確認。直感的に操作できる使いやすさも機器選定の決め手になった。

システム図

導入機器

  • 固定焦点バレット型フルHD(200万画素)ネットワークカメラ
  • 8ch対応ネットワークレコーダー16TB(8TB×2)
  • 1000BASE-T対応PoEスイッチングハブ ※いずれもエレコム製

《当社をお選びいただいたポイント》

  • 幅広い取扱製品の中から、用途やコストなどお客様のニーズに合ったソリューションを提案し、的確な課題解決。
  • 実機を持参し、画質や操作性をお試しいただくデモを実施。
  • トラブル時にも安心、迅速なサポート体制。

 

導入の背景

オペレーターの職人技が不可欠なグラビア印刷

大日本パックェージ様は、前回東京オリンピック開催の1964年に創業。埼玉県の南東部のベッドタウン「越谷市」に本社工場を構え、創業当時からグラビア印刷に特化し、幅広い製品の包装材用フィルムを生産されています。
同社が手掛けるグラビア印刷とは、色彩豊かな表現力を持つ印刷手法で、食品や医薬品をはじめ、幅広い製品のプラスチック包装や紙包装などに使用されています。その作業工程には、高度な職人技が必要とされ、顧客からの高い要望に応えるために、インクを調合して色合いを調整するなど、長年の経験とノウハウが欠かせません。
そのため、創業の精神「良い製品作りは良い人づくり」を貫き、優れたオペレーターの育成にも注力されています。

左より総務部 菊地係長、三杉本社工場長、品質管理部 中村係長

導入前の課題

クレームに対する調査・回答をすばやく行うために

かつて、同社の製造ラインには2台のモノクロカメラが設置されていました。
「2台のカメラはかなり古く、解像度も低いものでした。また、LAN回線ではなく同軸ケーブルでつながれていました。それらが故障したので置き換えることになったのですが、当時の常務から『せっかくなら、しっかりとラインの映像が残せるようにしよう』と提案され、今回の導入に至りました」と本社工場長の三杉様は振り返ります。
工場には4つの製造ラインがあり、各ラインに4台ずつ、合計16台のネットワークカメラが設置されることになりました。そこで日興通信はエレコム社の協力を得て、このシステムを構築させていただくことになりました。
より本格的にラインの様子を収録したいという方針に合わせ、同軸カメラではなくLANケーブルによるネットワークカメラシステムをご提案しました。実機検証を行い画質の良さ、レコーダーの操作の簡便さ、そしてコスト面で優れていたため選定いただきました。
そもそも、製造ラインにカメラを設置する必要に駆られたのは、理由がありました。
「当社では、印刷したフィルムを納品して、半年や1年が経過したあとお客様からクレームが発生することがありました。パッケージに使うフィルムですから、個包装の段階になってから不具合が分かる場合も多いのです。そうなると、どうしてこのようなトラブルになったのかという原因の究明が、オペレーターの記憶に頼るしかなくなります。しかし、長い時間が経った後では、究明に時間がかかりました」と三杉工場長は語ります。
パッケージになった後に商品回収ということになれば、被害金額も大きく、長年の課題になっていました。
「そこで、カメラで現場の作業を収録しておけば、トラブルの原因究明もしやすくなるのではと考えたわけです(三杉工場長)」
 

品質管理室に設置されているネットワークレコーダー。

お客様が色校正のチェックを行う会議室では、大型ディスプレイで製造ラインの様子をリアルタイムで見ることができる。

導入の効果

トラブルの原因究明に、映像による記録が大きく貢献

導入の成果について、
「実は、導入後に早速、納品したフィルムの一部に、黄色いインクが飛び散っているというクレームがあったのです。そこで録画した映像を見直したところ、オペレーターがインクの桶を洗っているシーンが見つかりました。おかげで、すぐに原因を報告することができました。本人はそのことに気が付いていないので、映像なしでは原因の究明は簡単ではなかったと思います(三杉工場長)」
また、品質管理部の中村係長によれば、日ごろのトラブル対応にも役立っているという。
「設備に何か問題が発生した時はその報告書が届くのですが、書面では詳細がこちらに伝わらないことがよくありました。しかし、その時間にさかのぼって映像をチェックすることで、解決までの時間をかなり短縮することができています」

監視ではなく、品質向上が目的
印刷ラインの様子を24時間収録する当システムですが、導入にあたって現場オペレーターからの反発はなかったのでしょうか。
「実は、最初は反発がありました。自分たちの作業を監視されるのではないかという不安があったようです。しかし、品質向上のためだというこちらの意図をしっかり伝え、理解してもらうことができました。カメラが小さく目立たないため、現在では気にせず作業を進められています(三杉工場長)」
同社では、クライアントから色校正のチェックを受ける「立会」と呼ばれる工程があります。この作業を行う会議室でも、大型モニタでラインの様子をリアルタイムで確認することができます。
「こうやって、作業記録を収録していることをお見せすることで、お客様の安心にもつながっている(菊地係長)」とのことでした。

グループの工場への導入も検討中
大日本パックェージ様の品質管理に大きな成果をもたらしている、ネットワークカメラシステム。今後はグループ会社の工場への導入も検討されているそう。
まだまだ職人技が必要とされる同社へのさらなる貢献が期待されます。
 

大日本パックェージ株式会社様 プロフィール

  • 設立:1964年(昭和39年)2月
  • 本社・工場:埼玉県越谷市平方1004番11
  • 事業内容:フィルム包装や紙包装等の企画・製造・販売、壁紙や襖紙の企画・印刷加工
  • ホームページ:http://www.daipake.co.jp/

※記載内容は取材時(2021年6月)のものです。