栃木県小山市の中核病院が クラウド管理可能な病室Wi-Fiを導入

地方独立行政法人 新小山市民病院様

導入のポイント

《導入前の課題》

  • 入院患者が持ち込むポケットWi-Fiと、業務用Wi-Fiとの電波干渉を避けたい。
  • 入院生活や外来患者の待ち時間を、インターネットで有意義に過ごしていただきたい。

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対策:クラウドで管理可能な無線アクセスポイントを導入し、病室にWi-Fi環境を構築
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《導入の効果》

  • 病室は2.4GHz、 業務用は5GHzと周波数帯を分けて、電波干渉を避けられるようになった。
  • 患者がポケットWi-Fiを持たなくても、自由に安定したインターネットを楽しんでいただけるようになった。
  • システム管理者が各自の端末からアクセスしてネットワーク管理ができ、業務効率アップが図れた。

入院患者が持ち込むポケットWi-Fiと、業務Wi-Fiの電波干渉を避けたい。

病室と業務用のWi-Fiを分けて、患者に自由にインターネットを楽しんでいただきたい。

《当社をお選びいただいたポイント》

  • 豊富な導入実績から、お客様の業種や利用規模、用途に応じた製品のご提案
  • 実際の利用シーンに合わせた実地検証の実施
  • 導入後の運用、拡張性を見据えたご提案やアフターフォロー

 

導入前の課題

業務Wi-Fiへの電波干渉を避け、患者様に快適に過ごしていただくため

栃木県の新小山市民病院様は1946年、国民健康保険直営診療所(24床)として開設。その後病床を増やし、2016年に現在地に移転。「市民に信頼され、必要とされる、地域密着型の急性期中核病院」をあるべき姿と定め、日々業務を行っています。

近年のスマートデバイスの隆盛によって、日常に溶け込んだWi-Fi。入院生活でも使用を求める声が増え、病室Wi-Fiの普及が進み始めています。新小山市民病院は、県内としては早期から病室Wi-Fiの提供を開始しました。本院でシステム管理者を務める吉野絢祐様は、その理由は二つあるといいます。

「一つ目は入院患者様が持ち込まれたポケットWi-Fiと、業務で使うWi-Fiの電波干渉を避けるためです。最近ではご年配の入院患者様もYouTubeを見て過ごす方が増えていて、病室にポケットWi-Fiが持ち込まれるケースも増加してきました。 そうなると、入院患者様が使用するWi-Fiの周波数帯はコントロールできない。そこで、病院が用意したWi-Fiを入院患者様に使っていただくことで、病室は2.4GHz、業務用は5GHzといった具合に周波数帯を分けることが可能になります。

二つ目の理由は、患者様の時間を有意義に過ごしていただくためです。当院は入院患者様だけではなく、外来の患者様にも、待ち時間にWi-Fiを使っていただけるようにしているんです。長い方だと半日を院内で過ごす方もいらっしゃいますから」

日興通信が提案したのが、クラウド管理型無線アクセスポイント(D-Link社製)です。広い病院はクラウドで一元管理する方が利便性が良く、同製品を近隣小学校に導入した実績から、建物の作りが似ている病院なら安定して使えると判断しました。実地調査では、各部屋の扉を閉めた状態で電波試験を行い、導入台数を決定しました。1台のアクセスポイントで2~3部屋のWi-Fiをまかなえるように設置しました。

「他社の製品とも比較したのですが、製品の価格だけではなく、保守費用も満足のいく価格でした。それでかつ、信頼の置ける製品だと推していただいたので、当アクセスポイントを選んだのです(吉野様)」
 

システム管理室 吉野絢祐様

導入の効果

Webブラウザからアクセスでき、管理効率アップ

本院はセキュリティ面を考慮して病室Wi-Fi専用の光回線を引き、業務用ネットワークと物理的に分離する手法を採用しています。4階建てとなる本院の各階に、データ伝送およびPoE給電用として、ギガビットL2スタッカブルマネージドスイッチを設置。そこからアクセスポイント複数台へ接続し、患者にWi-Fiを提供しています。ネットワークのクラウド管理ツール 『Nuclias Cloud』 は、システム管理者にとってメリットが多いと吉野様は語ります。

「各担当者が自分の端末からNuclias Cloud の管理画面にアクセスできるのは、業務のしやすさにつながっています。管理用の専用端末を用意する必要がないのは、非常に助かりますね。Webダッシュボードが日本語というのも、安心して使える大きな要因の一つ。管理画面は視認性が高く、必要な情報にすぐたどり着けますね。地図の画像データを読み込めるフロアプラン機能は、誰が見てもステータスがすぐ分かるので重宝していますよ」

実際に病室Wi-Fiの運用が始まり、使用時間や通信量で制限をかけずとも、患者は快適にインターネットを楽しめているそうです。この結果は院内でも好評で、Wi-Fiを使えるエリアを増やそうという話が院内各所からきていると吉野様は話します。

「次は職員用のフリーWi-Fiを敷設するために、追加でアクセスポイントを注文しています。コロナ禍で集合研修ができなくなり、eラーニングでの動画研修がメインになったからです。息抜きとして、お昼休憩にもW-Fiを利用してもらえればと考えています」

 

 

導入機器

  • 無線LANアクセスポイント
    クラウド管理ツール 『Nuclias Cloud』 に対応。 『Nuclias Cloud』のWebダッシュボードは日本語対応しており、無線・有線LANの設定や監視など集中管理できる。総務省が推奨する「Wi-Fi提供者向けセキュリティ対策」を実現するセキュリティ機能が充実。インターネットへの接続のみを許可する「ゲストアクセスモード」も、病室Wi-Fiに適した機能となっている。
  • ギガビットL2スタッカブルマネージドスイッチ
    アクセスポイントにデータ伝送およびPoE給電を行う。

※いずれもD-Link製(協力:ディーリンクジャパン株式会社)

廊下に設置されている無線アクセスポイント。クラウド管理型でセキュリティ機能が充実。インターネットへの接続のみを許可する「ゲストアクセスモード」も、病室Wi-Fiに適した機能となっている。

アクセスポイントにデータ伝送およびPoE給電を行うスイッチも各階に設置。

Nuclias Cloud の機能の一つ、フロアプランの画面。地図の画像データを読み込んで、任意の場所に無線アクセスポイントの情報を配置できる。

地方独立行政法人 新小山市民病院様 プロフィール

  • 開設:1946年
  • 所在地:栃木県小山市大字神鳥谷2251番地1
  • 概要:診療科目31科、 病床300床。栃木県DMAT指定病院、地域災害拠点病院に指定。
  • ホームページ:https://tochigi.hospital-shinoyama.jp/

※記載内容は取材時(2022年6月)のものです。